最近の本読みタイムでは、中公新書の「持統天皇」を読んでいます。
天皇の御代変わりを意識してではなく、たまたまです。
以前、漫画の「天空の虹」の読んで、歴史的整合性はどうなんだろうと気になっていました。
というのも、はるか昔時空を超えた大和の時代の話ですので、
おそらくフィクションとノンフィクションの入り混じったストーリになっており
史実の部分はどれか気になっていました。
漫画の持統天皇こと讃良は意志の強さで混沌とした時代を固め、次代につないだ人物です。
悪女として捉えられているイメージとは違い、漫画の讃良は人間らしく描かれています。
さて、新書はどうかというと、個人のイメージはあまり重視されているわけではなく、
史実にそって、この時はどういう状況であったかという説明的文章でした。
新書ですので、あくまで資料でのわかる範囲の讃良評です。
夫のため、我が子のためが優先する女性であったようです。
夫の死によって残された数々の改革をやり遂げる政治力とともに、
無理やりわが子を立太子するため、周りを排除する強引さなど、
まさに烈女といえるでしょう。
漫画ではそのあたり、苦悩する内面を加味し、人間らしいところを描いてはいますが、
果たしてどのような女性であったのか、あとは私たちが想像するしかないでしょうね。
何しろ1000年以上も前に生きていた人たちのお話ですから。
ところで現代の皇室のたいそうな儀式の原型は、
天武帝の時代に出来上がったものも多いです。
大嘗祭もこのころで、中央集権国家の足掛かりとして、天皇の神格化がすすめられました。
日本書紀や古事記はそのあたりを意図し、編纂されているようです。
国書である日本書紀などは、政権に都合の悪い話は、なかったことにしているようです。
今の天皇制は象徴という位置づけで、権力を持たれているわけではありません。
よって、皇室行事と国家行事の線引きはとても難しいですね。
少子化は皇室も同様のようで、今後女性の位置づけをどうするか、
色々きな臭く下界で話し合われることでしょう。
男系、女系などというバカげた差別的対応にピリオドうってほしいですね。