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孤立死の新聞記事より

2月7日の新聞記事より

「大阪府内で昨年1年間に誰にも看取られないまま屋内で死亡し、

1か月以上たって見つかった遺体が382体に上ることが大阪府警の調査でわかった。」

 

昨年だから2019年度の数字なのかな。

大阪市内がおよそ220件ぐらいだから、

府下で160件前後なのでしょうね。

 

さて、これについて少し捕捉します。

記事の中にも触れられてあったのですが、

数字を知ることが難しいということ。

統計上公表されていないので、実数をしるためには、

警察に問い合わせないといけない。

マスコミ等が興味をもって取材すれば可能ですが、

一般人には敷居が高くって、なかなか知ることはできません。

本来、地方自治体である各市町村が把握しておいてほしいところですが、

おそらくできていないと思います。

 

ではなぜできないのか。

孤立死&孤独死は届け出の必要がないからです。

また、定義がないので統計の指針が決まっていないのです。

警察には資料が存在しますが、公表の義務は存在しません。

事件性がない、伝染病ではない限り、どこにもお知らせはいかないのです。

 

この人は孤独死でしたという定義づけは確かに断定するのは難しいのですが、

死後何日で発見されたかを統計で示すことは可能なはずです。

どうすれば統計に反映できるかというと、

死亡診断書、検案書には死亡日時やなくなった場所が記されています。

でも発見日時の項目がないのです。

発見日時がわかれば、死後経過時間も算出でき、

統計に反映されると思うのですが・・・

このことを指摘している研究者もあるようですが、

なかなか改定には至らない現状です。

 

対策が必要であるとするならば、この点から取り掛かってほしいのです。

私の研究もずっとやりやすくなるのになぁ。

でも、明らかにしないというのも行政にとっては助かるのかもしれません。

だって、対策するのはとっても難しい問題だからね。

数字で明らかになると、何か対策しろって言われてしまいそうです。

原因はとても複雑で多様だからです。

個々人の事情もあり、多岐にわたる恐れもあります。

 

そこで、手っ取り早く地域に押し付けているわけです。

地域力、つながりを強め、つながりを作ろう

のスローガンなのです。

互助、共助で何とかしてほしいのです。

 

ただ漠然とつながりって言われても、無理なのですよね。

本質は、目をつぶらず現実を見ることなのですがね。

人口減少、超高齢期、少子化問題、地方都市の人的過疎、都心部での関係性過疎、

仕事の問題、独居者の増加・・・

これらが複合的に絡み合い、孤立死の要因となっています。

 

さて、どうすべきか、もぐらたたきであっても、

現実を直視し、まずは啓発することからです。

当事者(本人、家族、まわりの人たち)意識への働きかけが、まず1歩。

そのためにも、正確な統計、そして反映が必要です。

地道な啓発、これから取り組んでほしいですね。