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薬効もなく

「住み慣れた自宅で最期を」は国の方針で、

その背景には、進展する高齢化によりベットがふさがる事を懸念しての対策です。

その施策に沿った、地域包括ケアシステムが構築され、

色々な自宅向けサービスの充実の開発が進められている。

もちろん高齢者にとっても、住み慣れた家で過ごせることは歓迎すべきことだが、

これは医療や介護、そして家族の理解や助けがあって成り立つことです。

 

奇しくも、今の大阪では、

「住み慣れた自宅で最期を」迎えてしまった人たちがいる。

コロナに感染し、自宅で亡くなった人たちだ。

この人たちは最期を自宅で迎えたかったのだろうか。

医療のサービスもなく、苦しい状態で、家族にも会えず、

なにより、病院にも運んでもらえず、

仕方なく家に居たわけで、

医療や介護サービスを受け、家族に看取られには程遠い状況での最期に。

見送られる本人も見送る家族も口惜しい事態になるとは。

 

「薬効の甲斐なく」はよく使われる葬儀の言葉ですが、

こういう場合は「薬効も受けられず」なんでしょうね。

 

どうか、皆が医療にアクセスでき、

口惜しい状態が早く終わりますように!